Confederation of Meningitis Organizations
(CoMO) という世界的なグループが,
4月25日を「世界髄膜炎デー」としました.
世界髄膜炎デーの目的は以下の4つです.
① 病気に関する情報の普及
② 予防ワクチンの普及
③ 新興国でのワクチン研究開発のサポート
④ 細菌性髄膜炎の患者さん・家族のケア向上
みなさんは髄膜炎のことを,どのくらいご存知ですか?
脳を保護する役割のある髄膜に炎症がおこる病気です.
発熱,頭痛,嘔吐といった症状がみられます.
けいれんで発症する人もいます.
2歳未満の乳幼児では,発熱,哺乳困難,嘔吐,けいれん,
大泉門の隆起などの症状で発症します.
問題は後遺症です.
細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会のページには,
以下の記載があります.
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また,
2003~2004 年に発生した小児細菌性髄膜炎の
全国調査の結果では(上の左のグラフです),
小児では,とくに0~3歳に多いことが明らかです.
116 施設から233症例が報告され,ヒブが139 例と
最も多く, 次いで肺炎球菌が38 例,B群連鎖球菌が
13 例, 大腸菌が9 例でした.
グラフの右に書かれている細菌名は,上から
インフルエンザ菌(ヒブ),肺炎球菌,B群連鎖球菌,
大腸菌です.
左のグラフは,年齢別の起因菌ですが,4ヶ月未満は
出生時に感染するB群連鎖球菌が多いのですが,
保育園に通うようになる4ヶ月~5歳までは,ダントツで
インフルエンザ菌(ヒブ)の起因菌となっています.
2番目には肺炎球菌で,6歳以降ではトップです.
肺炎や胃腸炎のように,入院したとしても比較的
元気になって退院できる病気とは違い,
重度の後遺症を残す可能性のあるこれらの
細菌性髄膜炎はワクチンで予防できる病気です.
・ インフルエンザ菌ワクチン(ヒブワクチン)
・ 小児用肺炎球菌ワクチン
いずれも任意接種ですが,ヒブワクチンはこの4月より
札幌市では公費助成を受けられるようになりました.
小児用肺炎球菌ワクチンは,残念ながらまだです.
自治体によっては,公費助成しているところもあります.
以下のページでご確認下さい.
星川小児クリニックの山本淳先生が作成したページ
http://homepage3.nifty.com/hoshikawa/advocacy/kouhi.html
月齢によって接種回数はことなりますので,詳細については
かかりつけの小児科医へご相談下さい.
もちろん,「いし胃腸科内科」でも,接種に関しての
問い合わせは受けていますよ (⌒∇⌒)
*参考
細菌性髄膜炎の診療ガイドライン
http://www.jsnt.gr.jp/guideline/zuimakuen.html
細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会
メルクマニュアル家庭版, 細菌性髄膜炎http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec23/ch272/ch272c.html
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