世界髄膜炎デー(4/25)

Confederation of Meningitis Organizations 

(CoMO) という世界的なグループが,

4月25日を「世界髄膜炎デー」としました. 

http://www.comoonline.org/

 

世界髄膜炎デーの目的は以下の4つです.

① 病気に関する情報の普及

② 予防ワクチンの普及

③ 新興国でのワクチン研究開発のサポート

④ 細菌性髄膜炎の患者さん・家族のケア向上

 

みなさんは髄膜炎のことを,どのくらいご存知ですか?

 

脳を保護する役割のある髄膜に炎症がおこる病気です.

発熱,頭痛,嘔吐といった症状がみられます.

けいれんで発症する人もいます.

2歳未満の乳幼児では,発熱,哺乳困難,嘔吐,けいれん,

大泉門の隆起などの症状で発症します.

 

問題は後遺症です.

細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会のページには,

以下の記載があります.

http://zuimakuen.net/g77.html

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迅速で適切な治療が施されても細菌性髄膜炎を起こした
新生児においては約30%が死亡しています.
月齢の高い乳児・小児であっても,
インフルエンザ菌(ヒブ, Hib)が原因・・・3~5%
肺炎球菌が原因・・・10~15%
脳膿瘍ができた子の場合・・・25%
の子どもたちが死亡してしまっています.
 
そして生存した子ども達の10~20%
脳と神経に重大な損傷が生じ,脳室の拡大(水頭症),
難聴,脳性まひ,精神遅滞などを引き起こし
また,多くの子ども達に学習障害,軽度の難聴,
けいれんなどの後遺症が残っています.

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また,

2003~2004 年に発生した小児細菌性髄膜炎の
全国調査の結果では(上の左のグラフです),

小児では,とくに0~3歳に多いことが明らかです.

 

116 施設から233症例が報告され,ヒブ139 例と

最も多く, 次いで肺炎球菌が38 例,B群連鎖球菌が

13 例, 大腸菌が9 例でした.

グラフの右に書かれている細菌名は,上から

インフルエンザ菌(ヒブ),肺炎球菌,B群連鎖球菌,

大腸菌です.

 

左のグラフは,年齢別の起因菌ですが,4ヶ月未満は

出生時に感染するB群連鎖球菌が多いのですが,

保育園に通うようになる4ヶ月~5歳までは,ダントツで

インフルエンザ菌(ヒブ)の起因菌となっています.

2番目には肺炎球菌で,6歳以降ではトップです.

 

肺炎や胃腸炎のように,入院したとしても比較的

元気になって退院できる病気とは違い,

重度の後遺症を残す可能性のあるこれらの

細菌性髄膜炎はワクチンで予防できる病気です.

 

 ・ インフルエンザ菌ワクチン(ヒブワクチン)

 ・ 小児用肺炎球菌ワクチン

 

いずれも任意接種ですが,ヒブワクチンはこの4月より

札幌市では公費助成を受けられるようになりました.

小児用肺炎球菌ワクチンは,残念ながらまだです.

 

自治体によっては,公費助成しているところもあります.

以下のページでご確認下さい.

 

星川小児クリニックの山本淳先生が作成したページ 

http://homepage3.nifty.com/hoshikawa/advocacy/kouhi.html

 

月齢によって接種回数はことなりますので,詳細については

かかりつけの小児科医へご相談下さい.

 

もちろん,「いし胃腸科内科」でも,接種に関しての

問い合わせは受けていますよ (⌒∇⌒)

 

*参考

細菌性髄膜炎の診療ガイドライン

http://www.jsnt.gr.jp/guideline/zuimakuen.html

 

細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会

http://zuimakuen.net/

 

メルクマニュアル家庭版, 細菌性髄膜炎http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec23/ch272/ch272c.html