こんばんは,小児科医の松原央です.
今日は,「横紋筋肉腫」について書いてみようと思います.
皆さん,この病気の名前は聞いたことがありますか?
小児がんでは,白血病がもっとも多いので有名ですが,
お肉にできる「小児がん」で最も多いのが「横紋筋肉腫」です.
京都府立医大小児科の細井教授が書いた解説はこちら
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子どもから若年成人に多く,全身のいたるところに出てくる「がん」です.
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私は,数年前,この病気のことを英語で発表したことがありました.
それ以来,1年に1回くらい外国の小児科の先生からメール相談があるのです.
ほとんどは,南米や中東からのものです.
「いし胃腸科内科」に勤務してからは,小児がんの子どもを診療する機会は
ありませんが,海外の先生はそういう事情を知りませんからね.
週末にもトルコの先生からメールが届きました.
米国や西欧と比べると,医療レベルが違いますので,可能な範囲で
治せる方法を模索しているようです.
私が以前勤務していた国立がんセンターでは,転移のある子どもや
20代の大人に大量化学療法という治療を行なっていました.
その治療法について細かく知りたいとのことでした.
薬の量や投与日程などなど...
患者さんの詳しいことはわかりませんでしたが,横紋筋肉腫に対する
大量化学療法について私の経験を含めて返事をしました.
治療方針がどうなるかわかりませんが,彼女の治療がうまくいくように
近所の神社にお願いしました.
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コメントをお書きください
ピーチ (水曜日, 08 9月 2010 00:49)
21歳の息子を横紋筋肉腫で亡くしました。
聖路加・癌センターのある築地銀座にはまだ足がむきません。
胞巣型・体幹部(右胸から脇)・骨髄左側骨盤に転移あり
の段階で病名がわかり一年の治療の甲斐もなく・・・
遠くにいってしまいました。
看病は肉体的疲労と精神的ショックが何度も何度も押し寄せ、
病気に対する知識をいくら必死で探してもスルー
辛い思いをさせて本当にごめん!
私のどこがいけなかったのか、医学的な原因と共に
運命的な原因を探りたい毎日です。
松原 央 (水曜日, 08 9月 2010 10:49)
ピーチさん
これからが楽しみだったの息子さんを失った悲しみが
とても深かったことがわかります.
その気持ちの一部をここにコメントしていただいて
ありがとうございます.
数人のがんの子どもの看取りも経験しましたが,
きっと息子さんは,ピーチさんの息子として生まれ,
看病を続けてくれたことに感謝していると思います.
青年期の体幹部原発では,発症してから受診,診断までが
どうしても長くなる方が多いように感じます.
大病にならない方が多い年齢であり,腫瘤も体に比して
大きく感じないことがほとんどです.
幼児や小学生くらいなら,お風呂で親御さんが体を
洗っていて気づくこともあります.
がんセンターでは,自分と同世代の患者さんの主治医にも
なりました.抗癌剤の治療を受けている姿をみて,私も
なんとか治してあげたい,副作用をできるだけ抑えてあげたいと
考え,日々文献を読んだりしていました.
しかし,願いが叶わなかったこともたくさんありました.
若い命が病気で失われるのは,非常に悲しいことです.
予防できれば一番良いと思いますが,少しでも早く
治療法が確立されることを願います.
ピーチ (水曜日, 15 9月 2010 00:17)
優しいお言葉をありがとうございました。
そうそう・・息子と年の差のない研修医などがやって来るのは親として
本当に辛くて辛くて・・まるで「勝ち組」と「負け組み」
この間まで同じように勉強もしていたのにネ!
さすがに体験したことのない方には思いつかない発言ですね。
遺伝子や化学で解明されたことが医学に反映されるには、
あまりにも時間がかかりすぎます。化学と医学の壁は厚いと痛感しました。
子供の病気は家族全員の病気!
松原 央 (木曜日, 16 9月 2010 05:57)
病気の解明は確実に少しずつ進んでいますが,
治療に関しての進歩は実感しにくいです.
動物で上手にいったとしても,ヒトでは
これまでの治療法と差がないことは
よくあります.
画期的な治療法が見つからない限りは,
実感できる進歩は難しいかもしれません.
「子供の病気は家族全員の病気!」は,
まさにその通りですね.
アクビガール (水曜日, 22 1月 2014 23:10)
私は18の時横紋筋肉腫になり、リンパ転移もあり手術、放射線、抗がん剤全てやりました。一年半くらい治療し、現在23で再発もないですが、治療(手術や放射線)などの後遺症に悩まされ生きるのが辛いです。治ってしまって申し訳ないですが、こんなに後遺症が残るなら生きたくなかったというのが正直な気持ちです。
のん (木曜日, 07 1月 2016 13:51)
ピーチさんと全く同じ気持ちです。
19歳の息子が骨盤の横紋筋肉腫(転移有、右の腸骨、仙骨)で去年の6月から入院。化学療法、18時間に及ぶ手術。放射線治療をしてきましたが肋骨に再発し完治は難しいと言われました。本人にはまだ伝えていません。現在の化学療法(ジェムザール、ドキソルビシン)は副作用もなく食欲もあり元気ですが血球はとても低い状態です。これからどうなるのか、何か治療方はないかと毎日調べてますが…沢山ありすぎて混乱してます。今更セカンドオピニオンは遅いか、化学療法は続けるべきか、本人に本当の事を伝えるべきか、毎日悩んでいます。
ピーチ (月曜日, 16 5月 2016 01:03)
のんさん、おつらいですね。私は、限られた時間を少しでも息子と過ごすことだけを考えました。病院では「マザコン」扱いもされましたが、もしかすると残された時間は限りなく少ないのかもしれないと思うと、一つ一つの仕草や言葉をしっかり焼き付けておかなければいけないとの思いにかられました。 最後は家で私が看取りました。お悔みにきてくれたお子さんを亡くされた親御さんも勇気をもって、もっとそばにいたいと言いたかったと言っていました。なぜ、病院に怒られることをこわがっていたのかと後悔していらした方もいます。息子と何を話したわけでもなく、そっと顔をみていただけで、後悔は尽きませんが、病院の規則よりも大切なもだってあるはず。20才前後の子供なら、PCやスマホで病気の知識はあります。それでも、最後は、母親の「大丈夫!」という言葉にすがるようにして生きてくれたと思います。 一晩でいいからお母様もからだを休めてください。おだいじに。
ピーチ (火曜日, 27 6月 2017 23:34)
松原先生、アクビガール さん、のんさん
その後いかがお過ごしですか?
私は、息子の夢だったのではないか?と思うトレーナー・インストラクターの資格をとり今も働いています。60歳を過ぎましたし、決して元気でもないのですが、お客様は、もっと年上の方もいらっしゃるし、引きこもりからやっと抜け出してジムデビューしてきた若い子には、ハードルの低ーいおばさんとの会話が結構らくみたいです。でも、甘やかしませんよ!健康な肉体があるのですものね!体ががっつり大きくなるにつれて、トレーニング仲間が出来て、定時制高校に通いだした子や、職人スタイルで「お疲れ様です」と声をかけるためだけにきてくれる子もいます。病的な潔癖症の女の子も、毎日毎日同じことを繰り返しているうちに、数年経って行動範囲が広まりました。
・・・といくら自慢話を書いても、私の息子に代わる者はいませんが、死ぬまでの時間潰しにしてはnice!!後悔ばかりの苦しい日々の中のひとつの灯りです。