こんばんは,いし胃腸科内科の松原央です.
昨日の『ワクチン』ネタに続き,今日も『ワクチン』のお話です.
12月13日の日経メディカルの記事です.
有効性と安全性は単独接種と大差なし
HibワクチンとDPTワクチンの同時接種で国内初のエビデンス
第14回日本ワクチン学会学術集会
内容は,『3カ月齢以上7カ月齢未満の健康な乳児を対象に,3種混合
ワクチンを単独接種したグループと,Hibワクチンと3種混合ワクチンを
同時接種したグループに分け,中和抗体保有率や副反応などについて,
3種混合単独接種群と同時接種群,さらにPhase IIIのHibワクチン
単独接種群とを比較したものです.その結果は,3種混合ワクチン単独
接種もHibワクチンとの同時接種群も3種混合ワクチンのそれぞれの
抗体価に大きな差を認めませんでした.また,Hibワクチンの抗体価に
関しても顕著な差を認めなかった.副反応の出現も差はなかった』
というものです.
札幌市では,来月からヒブワクチン,肺炎球菌ワクチンの公費助成が始まります.
これらのワクチンは,生後2ヶ月から接種できます.
そうなると,3ヶ月からの3種混合ワクチン.
4ヶ月健診でのBCG,毎年5月,10月のポリオワクチン.
(いずれも札幌市の方のみ限定の話ですが)
と,以上のように1歳までに5種類のワクチン(+1歳時のMRワクチン)を
接種しなければなりません.
生ワクチン(BCG,ポリオ,MR)は4週間あけて,不活化ワクチンは
1週間あけて,次のワクチンを接種することができます.
でも,その間に風邪をひいたり,お腹をこわしたりしたら,ワクチンの接種を
延期しなければならなくなることもあります.
これらのワクチンを適切な時期に接種できる方法は『ワクチン同時接種』.
接種後の抗体価保有率や副反応には差がないという報告から,
1月からは同時接種を勧める医院やクリニックも増えるのでは
ないでしょうか.
もちろん,当院でも同時接種をおこなっています.
お子さんの,予防接種(ワクチン接種)スケジュールでお困りの方は,
当院を受診の際に,お気軽にお尋ねください.
同時接種を
お考えの方は
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(おまけ)
厚生労働省が示す定期(一類疾病)の予防接種実施要領の「第1総論」の
「18 他の予防接種との関係」の(2)には以下のようにあります.
(2)二種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に対して行う同時接種(混合ワクチンを使用する場合を除く。)は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができること。
乳児への接種スケジュールを考えると止むを得ないと判断し,行なうことは
違反にはあたらないということですね.
さらに詳しいことは,世田谷区にいる小児科医のブログの
変わったレストラン(同時接種の不思議)をお読み下さい.
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