こんにちは,いし胃腸科内科の松原央です.
昨日,「チェルノブイリ・ハート」を観にいきました.
チェルノブイリ原子力発電所4号炉(現:ウクライナ)の爆発事故から
16年後の隣国ベラルーシでおきた被害事実のドキュメンタリー と,その4年後に
制作された「ホワイトホース」を日本版に特別編集したものです.
タイトルの「チェルノブイリ・ハート」は、事故後に生まれた先天性心疾患をもつ
子どものことをさしています. 映画の中で,新生児の85%が何らかの障害を
持っていると 語られているのは衝撃的でした.
遺棄乳児院には,生まれつきの障害のある子や育てられずに捨てられた子.
国の財政が悪いために,必要な医療が受けられず,病気が進行している子が
映し出された. 乳児院の子でなくても,退去地域が解除されると補助金が
受けられず,治療を受けられない子もいた.解除後に病気をもって生まれた子は,
原発事故が原因だとしても,保障は何もないのだろう.
国の財政状況では,今後も生まれてくる子が病気をもっていても,
原発が原因として保障し続けるお金がないのだから.
お近くで映画が上映されていない場合にはこちらへ
英語字幕版「チェルノブイリ・ハート」をユーチューブで観ることは可能
「ホワイトホース」では,事故から20年が経った2006年に,事故後初めて
故郷を訪れた1人の青年が主人公.
住んでいたマンションは廃墟となっていた.
家族との思い出を話し始めるが,それも1986年4月を境に時間が止まった.
幼少時を懐かしむ姿の一方,廃墟と化した我が家にいる自分,
そして原発事故を憎む気持ちが伝わってきた.
『親戚の10人が,がんで死んだ.放射能と無関係だと言われることを
僕が信じると思うかい? 僕もそれで死ぬんだ.まったくの犬死さ.』
その1年後,青年は亡くなった.
将来,福島もこのようになる可能性は十分にあります.
8月30日に文部科学省は,以下のレポートをサイトにアップしています.
文部科学省による放射線量等分布マップ(放射性セシウムの土壌濃度マップ)の作成について(平成23年8月30日)(PDF:4579KB)
残念ながら,発表の翌日は民主党の総裁選挙のことばかりで,
これについては,ほとんど報道されていませんでした
福島第1原発周辺30キロ圏内は,チェルノブイリで居住禁止管理基準の高濃度の
セシウムで汚染されており,福島市や郡山市の一部では,チェルノブイリで
妊婦や子どもの強制避難の対象になっている数値まで上昇していました.
それなのに,この報告書では数値のことだけで,この数値が何を示し,
どうすべきかは書かれていません.
政府からは,毎度のごとく情報が小出しです.
そして,「ただちに健康に影響にでるものではない」とお決まりの文句でも
でてくるのでしょう.しかし,数年後にでてくる影響はあるでしょう.
大人にとっては,数年後が寿命となるかもしれませんが,子どもやこれから
生まれてくる子どもにとっては予測できない影響は多分にあるはずです.
子どもたちが希望をもてる日本を作っていきたいですね.
政府の役人10人(内閣府、経産省原子力安全保安院、文科省)が,子どもに
「学校がきれいになっても町がきれいになっても安心できないから,
こうやって手紙を書いてきたんです.よく考えてお話しして頂きたいです」
と意見されているのが情けない.
福島の子供が疎開求め政府と交渉―マイク押し付け合い回答避ける官僚たちのお粗末(田中龍作ジャーナル)
こんな役人が,国を支えるためにいるかと思うと残念です.
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