こんばんは,いし胃腸科内科の松原です.
今日は,ロタウィルスワクチン(ロタリックス)について
昨年11月21日に発売されて,当院でもぼちぼち接種しています.
ロタ感染症に関してはこちらも参照してください.
<<ロタウィルス胃腸炎>>
ロタウィルスによる下痢症は,毎年冬から春にかけて流行します.
感染力が強いため,保育園や幼稚園ではすぐに拡がります.
5歳までに,その95%以上が感染しています.
国内では,6歳未満の乳幼児のうち 年間約80万人が,
ロタウイルス腸炎のため外来受診,その1割が入院しています.
感染の年齢分布のピークは生後6~24カ月です.
生後3カ月までは,母親からの免疫によって感染を起こしにくく,
感染しても症状は軽いのですが,生後4カ月以降に感染すると
重症化しやすいのが特徴です.
世界保健機関(WHO)では,重症化予防として,早期のワクチン接種を
推奨しています. 国内で承認されたロタリックスは,ロタウイルスに
感染した子どもから分離されたウイルスを弱毒化したワクチンです.
2回の経口接種で,ロタウイルス胃腸炎の重症化を予防する効果があるとされ,
重症ロタウイルス胃腸炎の発症を90%以上予防することが確認されています.
また,
昨年12月21日のNHKの『きょうの健康』でロタウィルスが取り上げられていました.
NHKは,直接リンクを貼れないので,こちらから.
当院では,1回13,500円で接種を行なっています.
接種対象年齢は,生後6週から24週までです.
ただし,札幌市では4ヶ月健診でBCGの接種がありますので,
それを考慮すると,生後6週から接種するのが望ましいです.
*ロタウィルスワクチンは,生ワクチンのため,他のワクチンを含め
次回接種まで4週間あけなければなりません.
また,生後2カ月からはヒブワクチン,肺炎球菌ワクチン,
生後3ヵ月からは三種混合ワクチンの接種があります.
これはをスムーズに接種していくためには,同時接種が必要です.
理想の接種は,BCG前に2回分済ませてしまう方法です.
パターン①
1回目を生後6週に入ってすぐにロタウィルスワクチン.
4週間後にロタウィルスワクチンと,ヒブ,肺炎球菌の同時接種.
そこから4週間あけて,3種混合とヒブ,肺炎球菌の同時接種.
BCG後に,残りの3種混合2回分と,ヒブと肺炎球菌の1回分の接種となります.
例)
生後 6週 ロタウィルスワクチン①
生後10週 ロタウィルスワクチン②+ヒブ①+肺炎球菌①
生後14週 三種混合①+ヒブ②+肺炎球菌②
4ヶ月健診 BCG
4週間後 三種混合②+ヒブ③+肺炎球菌③
3週間後 三種混合③
パターン②
生後2ヶ月になってからロタウィルスワクチンを接種する場合は,
ヒブと肺炎球菌を同時接種.4週間後に,ロタウィルスワクチンとヒブ,肺炎球菌,
三種混合の同時接種をすませ.
BCG後に,残りの3種混合2回分と,ヒブと肺炎球菌の1回分の接種となります.
*生後10週以降の場合はパターン③に似た方法になります.
例)
生後 8週 ロタウィルスワクチン①+ヒブ①+肺炎球菌①
生後12週 ロタウィルスワクチン②+ヒブ②+肺炎球菌②+三種混合①
4ヶ月健診 BCG
4週間後 三種混合②+ヒブ③+肺炎球菌③
3週間後 三種混合③
または,ロタウィルスワクチンをBCGの前後で接種するパターンです.
パターン③
BCG接種(おおよそ生後17周頃)がありますので,その4週前までに
ロタウィルスワクチンを終わらせなければなりません.
そうすると,生後12~13週(生後3ヵ月)までです.
そして,BCG後にロタウィルスワクチンの2回目となります.
ヒブ,肺炎球菌は,2ヶ月に入ってすぐ,または1回目のロタウィルスワクチンと
三種混合,ヒブ,肺炎球菌の同時接種が必要となります.
例)
生後 8週 ヒブ①+肺炎球菌①
生後12週 ロタウィルスワクチン①+ヒブ②+肺炎球菌②+三種混合①
4ヶ月健診 BCG
4週間後 ロタウィルスワクチン②+ヒブ③+肺炎球菌③+三種混合②
3週間後 三種混合③
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