こんにちは,連休はどうお過ごしでしたか?
今日は本の紹介です.
「起立性調節障害」って知ってますか?
聞いたことのない方がほとんどかもしれません.
小学校高学年から中学生の思春期前後の子どもが
以下のような症状を起こしている場合に疑われます.
- 朝起き不良などの起立失調症状
- 全身倦怠感
- 立ちくらみ
- 動悸
- 食欲不振
- 集中力低下
- 頭痛・立っていると気分が悪くなる
- 気分不良
- 睡眠障害
- 失神発作
- イライラ感
これらの症状をみたら,「さぼり」や「なまけ」と考える方がいるかもしれません.
でも,違うのです.
本人は,きちんとしようと思っても身体が動かないのです.
(でも,きちんとしようとする気持ちが強いほど心がつらくなってしまいます)
これは思春期に起こりやすい自律神経機能失調が原因と考えられています.
この時期には子ども達はぐんぐん背が伸びますのが,それに伴って
交感神経による血管収縮がうまく働かないために起きる状態です.
どうしてこの病気が起こるのかは究明されていませんが,
身体の成長期が終える頃から良くなっていく傾向があります.
ここでは診断方法や治療について詳細は書きません.
上記の症状に当てはまるお子さんをお持ちの方は,
まずは小児科を受診してみてはいかがでしょうか?
今回紹介した本は,作者の息子が発症してからの体験談です.
作者自身の悩み,息子との関係,学校との生活での担任とのやり取り,
進学についてなど読みやすく書かれています.
また,エピローグには息子さん自身が同じ病気を抱える同世代の若者との
座談会があり,患者さん自身の気持ちがわかる一冊です.
私も同じ病気の患者さんを診ています.
一人ひとりの患者さんによって症状は異なります.
もちろん治療の反応も違います.
しかし,少しでも学校生活が楽になればとの思いで診ています.
この本はお薦めです.
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