こんばんは、たんぽぽ小児科の松原です。
今日は水ぼうそう(水痘)のお話です。
上のグラフは、国立感染症研究所にある2013/10/11更新の
「IDWR過去10年との比較グラフ(週報)」の水ぼうそうのものです。
赤い太線が2013年のものです。ちょうど39週のところです。
グラフが示すように毎年この時期から流行が始まります。
先日の休日当番でも水ぼうそうの子が4名受診しました。
平岸地区のではありませんでしたが、市内では流行が
始まっているようです。
水ぼうそうのワクチンはお済みでしょうか?
ワクチン接種済みの子もいましたが、軽症でしたが水疱疹が
全身に出現していました。
保育園や幼稚園で流行した場合はすぐに広まります。
潜伏期間が2週間あるので、1~2週間で収束するのではなく、
流行が数週間にわたり続きます。
空気感染(空気中に浮遊している時間が他のウィルスよりも長い)
するので、クリニックにとってもやっかいな病気です。
水ぼうそうに最もかかりやすい時期は1~2歳です。
患者さんのほとんどは10歳までのお子さんです。
2つめの図は、国立感染所研究所ホームページの
「感染症発生動向調査週報 2011年47号」より作成しました。
予防接種について
1歳を過ぎたら,水ぼうそうの予防接種をお勧めします。
その理由は、
① 保育園、幼稚園を休まなくてすみます。
② 顔にできた場合、「あばた」になって残ることがあります。
③ 高齢者で発症することのある帯状疱疹の予防につながります。
(参考)
水ぼうそうワクチンを1回接種することでの抗体獲得率は 80%程度です。しかし、抗体を獲得しても,抗体価の低い人(免疫反応の弱い人)は水痘に感染しやすいとされています。現在、水ぼうそうの予防接種は1回となっていますが、今後2回接種が行なわれるようになります。国立感染症研究所のホームページでは、生後12ヶ月と15ヶ月を推奨しています。これはドイツで実際に行なわれているスケジュールが元になっています。アメリカでは、2回目を4~6歳で接種することになっていますが、日本では定点観測で年間20万人以上が診断を受けているので、感染者と接触する機会が多いと考えられます。年間に100万人以上が発症していると考えられています。より早く抗体価を上げ、水ぼうそうにかかることを防ぐ目的で感染研では3カ月後に2回目の接種を推奨していると考えます。
当院でも2回接種を勧めています。
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